鳴り響く鐘の音が去り行く年と新しく来た年を知らせていて、そっと千景はの指を絡めて握りしめて傍にいる事を確かめた。 二人しかいないこの邸で誰かが来るとは考えにくかったが、それでも今はこの手を離したくはない。 同じ布団の上で明かすのは久しぶりで、しかも新年となればどこか特別なもののような気がしては気持ちが浮かれるのを止められなかった。 千景の胸にそっと寄りかかり、聞こえる胸の鼓動に耳を傾けて静かに瞳を閉じる。 「、まさかお前ずっとそうしているつもりか?」 もう少しだけ千景の体温と鼓動を聞いていたかったが、不機嫌そうな視線にぶつかってそっと身体を離した。 「嫌だったか?」 そう問いかけると眉間に皺を寄せた千景がじっとこちらを見ていて、はきょとんと見つめ返して小首を傾げた。 「俺はお前に触れるだけで満足するつもりはない」 そう言うと千景は人の悪い笑みを浮かべ、深い口付けをしながらゆっくりとを押し倒した。 くちゅりと濡れた音がして唇が離れればまっすぐに深紅の瞳がを見つめていて、囚われたような息苦しさと同時に独占欲にも似た嬉しさを感じた。 「ち、かげ」 が千景の首に手を回して引き寄せて口付けを更にねだれば、熱い舌が口腔に入り込んでの舌に絡み付いてくる。 びくりと身体を震わせれば喉奥で千景が笑ったのが分かり、睨みつければ千景に舌を噛まれてたまらず腕を掴んで制止を促したが聞くはずもない。 千景はの足の間に膝を入れると、そのまま裾を開いての立ち上がった中心を優しく指で愛撫し始めた。 「ふぁ……あっ」 引っ切り無しに漏れる嬌声を抑えようと指を口元に運ぶが、千景にはお見通しだったらしく布団へ縫い付けられてしまう。 ふと千景の顔に笑みが浮かび何をするのかと思えば、いきなりとろりと先走りで濡れた先端を口に含まれた。 「あっあ……ん……ち、かげっ」 「どうした?舐めて欲しいんだろう?」 吐息が当たるのも辛くて腰が自然と揺れれば、くくっと笑いが聞こえて千景が憎らしく思ったが全て見られている羞恥にどうしていいかわからなくなる。 ぴちゃぴちゃとしゃぶられる感覚と聴覚までも刺激されて、堪らずに千景の肩を掴んで止めさせようとしたその瞬間ぐっと吸われて思わず千景の口に放ってしまった。 「……っ、千景っ」 驚いて見下ろせば口元についた残滓を指で拭っている千景を目にしてしまい、くらりと眩暈に襲われたがそれよりショックの方が大きすぎた。 これまでに濃密な夜を過ごした事はあっても、こんな事をしたことも無かったしさせるつもりもなかった。 「なんだ。別に大した事でもないだろう、飲むくらい。気持ちよかっただろう?」 気持ち良いか悪いかと言われれば前者だが、千景を汚させたような気がして居た堪れなくなってくる。 にやりと笑って言われれば何も言えずただ千景を見返すばかりだったが、千景の力強い腕によって反対に転がされて尻を千景に向ける破目になってしまった。 「なっ……千景っやめ」 いきなりの事で思考がついていけないが、不敵な笑顔の裏に恐ろしい事が待っているような気がして制止の声をかけるが止める気など更々ないのがわかる。 「ここ、ひくついてるが触って欲しいだろう?指でされるのと、口とどちらか選べ」 するりと撫でられたのは誰にも見せた事がない蕾で、千景に見られていると思うと顔を隠したくなる。 うつ伏せになっているおかげで見なくてすんだが、何をされているのかわからないのが恐怖に感じてちらりと後ろを振り返った。 「どうした?」 千景の顔が思いのほか近くにあって驚いているうちに、唇を塞がれて口付けに夢中になっている間に指がするりと蕾の中へ入り込んできた。 「んーっ、んっ」 ぐちゅりと濡れた音をさせながら這い回る指と、舌に翻弄させられるまま感じる事しか出来なくては千景に奪われるしかなかった。 指がある場所を滑れば蕾がきつく収縮をして、千景の指の形をそのまま感じてしまいは口から零れる声を抑える事が出来なかった。 「あぁっ、あんっやぁ」 「指だけではもう足りないだろう?」 「ちか、げっ、入れてっ。それ、ほし、い」 千景も口でいうほど余裕は無いのだろう、指を抜くと自らの先端をの蕾に押し当てるとゆっくりと挿入させた。 熱く大きいものが身体の中に入っていく圧迫感は苦しかったが、それ以前に千景を受け入れられる喜びと快感が上回った。 「っく、……」 耳元で名前を囁かれれば、それだけで嬉しくていきそうになるのを必死に抑えて、千景が全て収まるまで目を瞑って必死に耐えた。 「、愛している」 「……俺も好き」 言った瞬間千景が耐えるような顔をしたのを不思議に思っていると、急に中にいる千景が大きくなったのがわかった。 「や、大きっ」 「お前のせいだろうが」 むっとしたような声に冬夜が笑みを浮かべると、千景はにやりと笑って激しく腰を打ちつけ始めた。 がくがくと揺れるのに耐えられず千景の腕に手を伸ばせば、離すなというようにきつく抱きしめられて知らずうちに涙が零れる。 「っ、」 どくりと千景が中で放ったのがわかって、も触られてもいないのに立ち上がったものから蜜を放っていた。 この先どんなことがあっても、だけは離したりはしない。 瞳から溢れた涙を唇で取り去るとが微笑むから、千景は口元に笑みを浮かべて優しく唇を塞いだ。 ー幕ー |